ショップ店長から物流管理職に転職
ショップ店長と物流管理職
の共通点とは

- スタッフの管理・教育
- 売上管理
- 顧客対応
- 商品・在庫管理
- 法令とコンプライアンスの遵守

ショップ店長の仕事は、店舗全体を管理することです。
一口にショップといっても、セレクトショップなどの個人店や、大型のアパレルショップやスポーツショップなど、管理する売り場の面積や従業員の人数、取り扱うアイテム数などによってさまざまですが、いずれも業務内容は多岐にわたり、非常に責任の大きな仕事です。
以下では、ショップ店長と、物流管理職の仕事の共通点をご紹介します。
【共通点①】スタッフの管理・教育
まず大切なのが、スタッフの管理です。
在籍しているスタッフのシフト管理と勤怠管理を行い、適切な「人員配置」を行っていると思います。
特に、シーズンやセール、発売日などは来店数(物流量)が変わるため、動向を予測して、「余らない・多すぎない」スタッフの配置を行なっているはずですが、それは物流センターも同様。
繁忙期や悪天候による道路事情などを加味して、より臨機応変に対応するスキルが求められます。
スタッフのモチベーションが売上に大きく影響するため、一人一人が働きやすいよう配慮することも大切です。
密にコミュニケーションを取り、不満やトラブルがあれば解消し、店長として長く前向きに働いてもらえるよう、日々サポートしているのではないでしょうか。

物流センターでは、正社員登用や、フォークリフトの資格を取得して業務の幅を広げることで給与のアップといったことが可能。
物流センターで働くスタッフの適性ややる気などを考慮しながら、誰にそういったチャンスを与えるのかどうか考えていくことが必要です。
【共通点②】売上管理
会社として収益を得るためには、各店舗や物流センターがきちんと営業利益を確保しなくてはなりません。
日ごと・週間・月間・年間などの単位で売上を集計し、どれくらいの売上を確保できているか、足りないならなぜ足りないか、売上を上げるにはどうすれば良いか、分析と対策の検討を行いましょう。
ショップなら、セールやキャンペーンなどの企画を立案し、チラシ・広告の作成などを行います。
物流センターなら、日々のコスト削減や業務の効率化、顧客への営業などを行い、売上確保を目指します。

ショップによっては各スタッフにノルマがありますが、物流センターでスタッフにノルマが課せられているようなことはほぼありません。
ヒガシトゥエンティワンの物流センターは、それぞれ独立採算制になっているので、ショップ店長としてお店の売上を追っていたみなさんであれば、それほど戸惑うことなく業務を遂行できるのではないでしょうか。
【共通点③】顧客対応
日々多くのお客様と相対している店長であれば、顧客対応はお手のものではないでしょうか。
物流センターでは個人のお客様はいらっしゃいませんが、クライアント(たとえばAmazonやヤマト運輸などの大手から、事業会社までさまざま)との商談機会はあるので、今までの接客経験を大いに活かせるはずです。
【共通点④】商品・在庫管理
商品販売をするためには、商品管理や在庫管理が欠かせません。
日々変動する在庫に不足がないかを確認し、販売数を予測して追加や在庫の処分などを行います。
商品が不足すれば、営業機会を損失してしまうため、売上データを分析し、適切な管理を行いましょう。

物流センターでも、在庫管理は重要です。
どの商品がどこに保管しているかを明確にし、作業動線に配慮して管理することで、ムダな移動や衝突などの事故を減らすことができます。
また、仮置き場に長期間放置されている在庫などがあれば、廃棄したり返品したりすることで、作業ミス撲滅やコスト削減が行えます。期限切れ製品を正しく廃棄することも大切な業務です。
【共通点⑤】
法令とコンプライアンスの遵守
ショップ店長であれ物流センター長であれ、求められているのは規律ある店舗(センター)運営です。
コンプライアンスを意識した店舗(センター)運営を行うことは、企業の信用やブランドイメージを守ることにも繋がります。
スタッフの労務管理や勤怠管理をきちんと行うだけでなく、近年特に話題になりやすいSNSの活用方法なども注意しましょう。
大切なのは、自らが、法令やコンプライアンスを遵守する強い姿勢を見せること。
どんなにルールを決めても、店長自身がそれに背く行動を繰り返したり、公私混同したりしていると、社員のモラルも低下してしまうからです。
仕事中のスマホ利用のルールを決めるのも有効です。
SNSへの不適切な投稿を行うことが店舗にどんな影響を与えるか、などについてコンプライアンス研修を行うのもおすすめです。
たとえば物流センターでは期限切れなどで廃棄になるはずのものが持ち帰られ、個人消費や転売されるようなことがあれば、センターだけではなく会社の信用問題に関わります。
そういったことを防ぐためにも、日頃からの啓蒙や入退室のチェックが必要です。
現役センター長へインタビュー
物流センター長という仕事
まとめ
このように、現在・過去にショップの店長として活躍していた方なら、物流管理職でも活かせるスキルが多いことがおわかりいただけましたでしょうか。
ただしショップと物流センターでは、働いている人の数が段違い。スタッフ一人一人に気を配るよりも、広い視野で全体を見渡すことが求められます。
また、スタッフの性別や年代もある程度コンセプトに合わせていたショップと違って、物流センターで働く人は年代もさまざま。
いままでマネジメントしたようなことがない人もいるはずなので、そのあたりを念頭に置いておくといいでしょう。
より大きな仕事をしたい方、裁量権を持って仕事をしたい方であれば、ショップ店長から物流管理職という転職は選択肢の一つとしておすすめです。
当メディアで取材したヒガシトゥエンティワンでは、異業種からの物流センター長候補を採用強化中なので、気になる方は募集要項などをご確認ください。
より物流センター長の仕事を知りたいという方は、現役センター長にお話を聞いている以下のページもご覧ください。
人事が回答
ショップ店長の転職事情
アパレルなどのショップ店長を辞めたくなる理由
シフトが不安定で休みが取りにくい
アパレルなどの店舗のスタッフにはアルバイトやパートが多く、急な欠勤が発生することも珍しくありません。その場合、店長がシフトに入らざるを得なくなり、本来の休日がなくなってしまうこともあります。
また、土日祝日やセール時期、イベントシーズンは繁忙期となるため、希望通りに休みを取るのが難しいことが多いです。
体力的な負担が大きい
アパレルをはじめとするショップ店長の仕事は、基本的に長時間の立ち仕事が中心です。接客やレジ業務、商品の陳列や在庫整理…と、常に動き回る必要があります。新商品が入荷すれば、大量の荷物を運ぶ作業も発生します。
特に繁忙期には、開店前の準備から閉店後の片付けまで、1日中慌ただしく過ごすことも。若いうちは問題なくこなせても、年齢を重ねるにつれて体力的な厳しさを感じる場面が増えていきます。
売上ノルマのプレッシャーが大きい
アパレルなどのショップでは、個人や店舗ごとに売上目標が設定されるのが一般的です。店長はその達成に責任を持つため、大きなプレッシャーがかかります。売上が思うように伸びないと、上層部から指摘を受けたり、対策を考えたりする必要があり、精神的な負担も重くなります。
また、売上を伸ばすために、スタッフにノルマを課したり、アドバイスや指導を行うこともあります。しかし、実際には天候や流行、経済状況などの影響を受けやすく、スタッフの努力だけでは達成が難しいことも少なくありません。そうした状況を理解しつつも、厳しく指導しなければならないストレスから、転職を考える人も多いようです。
仕事量の多さと給与が見合わない
アパレルショップの店長の仕事は、接客や販売だけではありません。
スタッフのシフト管理や売上報告、在庫管理、発注業務、販促計画の立案など、多岐にわたる業務をこなす必要があります。接客中にこれらの業務をこなすのは難しく、営業終了後や開店前の時間を使って対応することが多くなります。その結果、長時間労働になりやすく、プライベートの時間が削られてしまうことも珍しくありません。
それにもかかわらず、ショップ店長の給与水準は高いとはいえません。特に個人経営の店舗や中小ブランドでは、店長の給与が一般的な水準より低いことも多く、「仕事量に対して報酬が見合わない」と感じる人も少なくありません。
インセンティブ制度がある場合でも、売上によって大きく変動するため、安定した収入を得るのが難しいケースもあります。
キャリアの先行きが見えにくい
アパレルショップの店長を経験した後のキャリアパスが不透明に感じられることも、転職を考える要因のひとつです。
大手ブランドであれば、本部勤務やエリアマネージャーなどのキャリアパスが用意されていることもありますが、必ずしも希望通りに昇進できるとは限りません。
また、個人経営の店舗や小規模ブランドでは、店長以上の役職が存在しない場合もあり、キャリアの停滞を感じることもあるでしょう。
アパレルなどのショップ店長を辞めるメリット
規則的な生活が送りやすくなる
アパレルなどのショップ店は営業時間が長く、閉店後の片付けやレジ締めなどもあるため、退勤時間が遅くなりがちです。とくに商業施設に出店している場合は、その施設の営業時間に合わせる必要があり、夜遅くまで勤務するケースも少なくありません。
アパレル業界を離れて、定時で退勤できる業界へと転職すれば、毎日の生活リズムが整いやすくなります。夕方には仕事を終えて、自分の時間を持てるというだけでも、心身ともにゆとりを感じられるようになるでしょう。
収入アップが期待できる
アパレルショップ店長は責任あるポジションでありながら、収入面では他業種に比べて高くない場合もあります。特に小規模店舗や個人経営のショップでは、業績によりインセンティブの有無も左右されやすく、安定した収入を得にくいケースも少なくありません。
異業種へ転職して、基本給が高い業界に移ることができれば、年収の底上げも期待できます。特に管理職としてのマネジメント経験を評価する企業であれば、これまでの店舗運営スキルを活かしながら、より高い待遇を目指せる可能性があります。
週末・連休に休みがとりやすくなる
アパレル業界では、土日や連休は来客が増える繁忙期です。そのため、週末に休みを取るのは難しく、長期休暇も取りづらいことが多いでしょう。特に年末年始や大型連休などは、繁忙期の真っ只中という店舗も少なくありません。
しかし、異業種の企業に転職すれば、土日祝が休みの職場も多く存在します。カレンダー通りの休日に加えて、有給休暇も取得しやすくなり、プライベートを大切にした働き方が可能になります。家族との予定も立てやすくなるでしょう。
アパレルなどのショップ店長を辞めるデメリット
新しい業務をイチから覚える必要がある
異業種に転職する際には、これまでの経験がそのまま通用しない場面もあります。たとえば事務処理やパソコン業務、専門知識が必要な仕事においては、未経験として一から学んでいく必要があります。
これまで販売現場で鍛えてきた接客力やリーダーシップが活かせる場面が少ないと感じることもあるでしょう。ですが、最初は誰でも初心者です。少しずつ業務に慣れていけば、やがて自信を持って仕事に取り組めるようになります。
また、新しい業界であっても「人をまとめる力」「数値で成果を把握する力」などは普遍的に評価されるスキルです。うまく活かせる職場に出会えれば、これまでの経験を無駄にせず、新たなキャリアを築いていけるでしょう。
働き方のギャップに戸惑う可能性がある
販売職から離れてデスクワーク中心の仕事に就くと、体を動かす機会が減り、最初は「じっと座っていること」にストレスを感じる人もいます。また、これまではお客様と直接接する機会が多かった分、人とのやりとりが少ない職場に違和感を覚えることもあるかもしれません。
さらに、ショップ店長という立場から一転して、新しい職場では指導を受ける立場になることもあります。自分より年下の社員から指示を受けることに戸惑うケースもあるでしょう。
こうしたデメリットを回避するためには、ショップ店長としての店舗経営・マネジメント経験を活かせる管理職を目指すのがおすすめです。
とはいえ、この業界しか経験がない、異業種に管理職として転職するのは難しいのでは…と考える人も多いでしょう。
当サイトでは『異業種の管理職から物流センター長への転職』に特化して、物流センター長の仕事の内容や魅力を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
アパレルなどのショップ店長を辞めて別業界に転職したい!
ショップ店長の経験が活かせる業種は?
「アパレル業界を離れて、異業種に挑戦したい」と考えている方には、物流管理職(物流業界)への転職がおすすめです。物流センターや倉庫での管理職には、スタッフのマネジメントや業務の効率化、売上や在庫の管理が求められます。これらは、ショップ店長として店舗運営に携わってきた経験と非常に親和性があります。
このほかにも、ショップ店長の経験を活かせる仕事はたくさんあります。異業種の中でも特におすすめの業界を紹介するので、比較しながら自分に合った転職先を探してみましょう。
小売業界(本部職・SVなど)
現職での経験を活かして、アパレルを含む小売業界の本部職やスーパーバイザー(SV)への転職も選択肢の一つです。店長として培った店舗マネジメント能力、売上管理、人材育成の経験は、複数店舗を統括するSVや、商品企画、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)、販促といった本部職で大いに役立ちます。
特に、商品企画やバイヤー職では、現場での顧客ニーズの把握やトレンドを読み取る力が活かせます。
人材業界
スタッフのマネジメントや人材育成に携わってきた経験を活かしたい方には、人材業界もおすすめです。ショップ店長として、採用や教育、スタッフのモチベーション管理に関わってきた方であれば、企業の採用支援を行う人材業界でも活躍できる可能性があります。
特に、アパレル業界に特化した転職エージェントや人材コンサルタントであれば、業界知識を活かして即戦力として働くことができます。人と企業をつなぐ仕事に興味がある方は、人材業界の営業やコンサルタント職を視野に入れてみてもよいでしょう。
営業職
ショップ店長としてお客様とのコミュニケーションを通じて販売実績を上げてきた経験は、様々な業界の営業職で活かせます。
顧客のニーズをヒアリングし、自社の商品やサービスを提案する能力は、営業職の基本です。特に、顧客との信頼関係を築く力や、目標達成へのコミットメント力は、どの業界の営業職でも高く評価されるでしょう。未経験の業界でも、研修制度が整っている企業も多いため、異業種からの転職もしやすい職種と言えます。
研修・コンサルティング業界
店舗運営やスタッフ教育の経験を活かして、研修やコンサルティング業界で活躍することも可能です。
店長として培った売上向上のノウハウ、顧客対応のスキル、スタッフの指導経験は、企業研修の講師や、店舗運営改善のコンサルタントとして需要があります。特に、小売業向けのコンサルティング会社であれば、これまでの経験がダイレクトに活かせるでしょう。
カスタマーサポート・コールセンター
人と接する仕事を続けたいが、体力的な負担を減らしたい方には、カスタマーサポートやコールセンター業務もおすすめです。
電話やチャットでのお客様対応では、接客業で養った「聞く力」「丁寧な言葉づかい」「柔軟な対応力」がそのまま役立ちます。シフト制で働ける企業も多く、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。