飲食店店長から物流管理職に転職
飲食店店長と物流管理職の
仕事の共通点とは

- スタッフの採用・管理
- 売上管理
- 環境づくり
- 法令とコンプライアンスの遵守

飲食店店長の仕事は、店舗全体を管理することです。
飲食店と一口に言っても、ファーストフード店からファミリーレストラン、専門店などさまざまな業態がある上、大型店や個人店など店舗の大きさによって仕事量は大きく違いますが、いずれも業務内容は多岐にわたり、責任も非常に重大です。
以下では、飲食店店長の仕事と、物流管理職の共通点をご紹介します。
【共通点①】スタッフの管理・教育
飲食店も物流センターも、運営するためにはスタッフの存在が欠かせません。
店長の業務は、在籍しているスタッフのシフト管理と勤怠管理を行い、「人員配置」を適切に行うことです。
飲食店では、時間帯や曜日、天候などによって客足が変わります。
物流センターでも、シーズンやセール、発売日に合わせて物流量が変わるため、来店数や物流量を予測して、ちょうど良いスタッフの配置を行わなくてはなりません。
また、飲食店のスタッフ教育は特に大切です。
直接お客様に接するため、マナーや言葉遣いなども常に気を配っているはずです。
飲食店でも物流センターでも、スタッフが働きやすいよう配慮することは重要な仕事。
スタッフと密にコミュニケーションを取り、不満やトラブルがあれば解消し、長く前向きに働いてもらえるようサポートするのは、物流センターも同様。

飲食店でもアルバイトから社員登用があるように、物流センターでも正社員登用や、フォークリフトの資格を取得して業務の幅を広げることで給与のアップといったことが可能。
物流センターで働く人の数は飲食店の何十倍にもなるので、最初は戸惑うことがあるかもしれませんが、お店の全体を把握して動かしていた経験は強みになるはずです。
【共通点②】売上管理

物流センターでも、売上管理は大切な仕事です。
会社として収益を得るためには、各物流センターがきちんと営業利益を確保することが欠かせません。
まずは、センターでどれくらいの売上を確保できているか、日ごと・週間・月間・年間などの単位で売上を集計します。
集計を行ったら、その分析や、それにもとづく施策の検討も行いましょう。
売上が落ちている場合には原因を分析し、改善のための施策を立案・実行します。
今回取材したヒガシトゥエンティワンの物流センターは、独立採算制になっているので、規模は違えど、店舗の売上を追いかけている店長であれば、そのマインドは活かせると言っていいでしょう。
【共通点③】店舗管理
飲食店の店舗では、清掃や整頓などの衛生管理、あるいは照明・音楽などの環境管理もポイントです。
お客様の中には、ただ飲食をするだけでなく、空間で過ごす時間を楽しみにしている人も少なくありません。
店舗の外装や内装、設備などはこまめにメンテナンスし、利用しやすいように整えましょう。
物流センターでは、道具や設備などに配慮し、従業員が作業しやすい環境を作るのも重要な仕事です。
言葉だけでなく、自分自身が率先して管理する姿勢を見せて、スタッフの意識を高めていくことも、飲食店だろうと物流センターだろうと変わりありません。
【共通点④】お客様対応
日々さまざまなお客様が来店する飲食店では、クレームやトラブルへの対応も店長の仕事の一つです。
お客様への謝罪対応はもちろん、クレームを受けたスタッフのフォロー、再発防止策の立案・実施などを行います。
クレームの中には、憂さ晴らしや言いがかりのようなものもあります。
その場合は、ルールに従って毅然とした態度をとる、あるいは本部に相談してしかるべき対応をとるなど、臨機応変な対応が必要です。

物流センター長も、クライアント企業との打合せや折衝、物流の改善提案や、新たなクライアントへの物流提案など、さまざまな外部対応を行います。
もちろん、クレームやトラブルが起こった場合には、その対応も行うため、飲食店で培った対応スキルが活きるでしょう。
現役センター長へインタビュー
物流センター長という仕事
まとめ
このように、現在・過去に飲食店店長として活躍していた方なら、物流管理職でも活かせるスキルが多いことがおわかりいただけましたでしょうか。
もちろんそのまま活かせるわけではないので、スキルがあるだけに悩んだり戸惑うこともあるかもしれませんが、スーパーよりも大きな規模のところで、裁量権を持って働きたいという方は、ぜひ物流管理職の道をおすすめします。
当メディアで取材したヒガシトゥエンティワンでは、異業種からの物流センター長候補を採用強化中なので、気になる方は募集要項などをご確認ください。
より物流センター長の仕事を知りたいという方は、現役センター長にお話を聞いている以下のページもご覧ください。
人事が回答
飲食店店長の転職事情
飲食店店長を辞めたくなる理由
休みが不安定
飲食店の店長によくある悩みとして挙げられるのが「休みが不安定」という点です。
スタッフとしてパートやアルバイトを雇っている飲食店がほとんどですが、こうした店舗では急な欠勤が発生しがち。急な欠勤で人手が足りなくなった場合は、店長が休みを返上して働かざるを得なくなります。家族や友人と過ごす時間が満足に取れない、という方も多いでしょう。
体力的にきつい
飲食店での仕事は、基本的に立ち仕事が中心です。料理やドリンクを運ぶのにも、それなりの体力を要します。
さらに、長時間労働にもなりがち。ランチからディナーまで営業している場合、朝のうちに出勤して仕込み作業を始めて、ディナー営業が終わっても片付けや事務作業で残り、帰宅するのは夜遅く…という方も珍しくありません。
20~30代の若いうちは問題ないかもしれませんが、40代、50代になると体力的にもしんどくなってくるでしょう。
事務作業との両立が大変
飲食店の店長になると、接客や調理だけでなく、さまざまな事務作業にも対応する必要があります。スタッフのシフト管理、売上の管理、経営方針の決定、材料の発注など、その業務範囲は広大です。
しかし、お客様からのクレームが発生したり、スタッフの急な欠勤が発生した場合は、事務作業を後回しにして対応しなければなりません。事務作業に集中できるのはお店の営業が終わってからになってしまい、プライベートの時間がどんどん削れてしまいます。
経営が上手くいっていない
飲食業界は参入障壁が低いため、競合が非常に多く存在します。最近ではスーパーやコンビニのお惣菜・飲み物も充実しており、こういった小売店も競合と言って過言ではなく、飲食店の集客はますます困難になっています。加えて、近年は食材費の高騰により、飲食店の経営は一層厳しい状況にあります。
このような中で、収益を安定させ、成長させることは容易ではなく、店長としてのプレッシャーは計り知れません。経営が難しい状況は、将来への不安を抱えさせ、辞めたいという気持ちにつながりやすいです。
過酷なわりに年収が低い
ここまで見てきたように、飲食店の店長の労働環境はなかなか過酷です。にも関わらず、飲食業界は全体的に年収が低く、大手チェーン店や経営が非常に上手くいっている飲食店をのぞけば、店長の年収も高くありません。「仕事量や責任の重さに見合わない」「将来的に不安がある」と感じる人も多いようです。
飲食店店長を辞めるメリット
生活リズムが整う
飲食店店長を辞めて18時~20時などの決まった時間に退社できるところに就職すれば安定した規則正しい生活を送れるようになります。飲食店の場合、夜間をメインに営業している店だと終業時間が深夜の時間帯になるところもよくあります。昼夜逆転の生活になっている店長も多く、正しい生活習慣が良いとは言えません。
飲食業界から離れて他の業界へ行くと、帰り道に飲食店がまだ営業中で、「街のあかりが点いていることに感動する」という声もよく聞かれます。ほんのささいなことですが、精神的にも安定しやすくなるでしょう。
収入アップを目指せる
飲食店の平均年収は、他の業界と比べて最下位です。店長は役職なので他の従業員よりも年収が高いとは言え、他のサービス業と比べると高いとは言えません。
飲食業界でも大手と呼ばれる企業に転職できれば年収を高められるチャンスはありますが、大手で店長に昇進するまでのキャリアを作るには、入社後さらに経験と実績を積む必要があり、非常に時間がかかります。飲食業界を離れ、他の業種に転職すれば収入アップを目指せる可能性があります。
参照元:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況(PDF)」
(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/dl/13.pdf)
安定した休みを取れる
飲食店は、週末や連休はかき入れ時なので、なかなか思い通りに休みを取れないことも多いでしょう。2日以上、続けて休みを取れない職場も少なくありません。
他の業界に会社員として転職すれば、毎週、ほぼ確実に連休をとれます。土日や祝日も休めるので、自分や家族と過ごせる時間も多くなります。
飲食店店長を辞めるデメリット
仕事をイチから覚える必要がある
飲食業界を離れて別の業界へ転職した場合、未経験枠からのスタートになります。これまで頑張って覚えた仕事とは異なることを、イチから覚えていかなくてはなりません。
ただ、辛い状況がいつまでも続くわけではありません。はじめにやるべき仕事をしっかりと覚えれば、周りの人と同じように仕事をこなせるようになります。それだけでなく、これまで店長として培ったコミュニケーション能力や業務改善スキルを発揮できる職場であれば、さらに活躍できる可能性もあります。
環境が合わずストレスになる
営業時間中はほぼ立ちっぱなしの飲食店から、毎日デスクワークが中心の業種に転職すると、体がなまってしまう感覚になります。体を動かしていたい人にとっては、座りっぱなしが辛いと感じることもあるでしょう。
また、店長だった頃は店舗の運営やスタッフの育成・指導に携わるリーダー的な立場だったかもしれませんが、他の業界で未経験となると指示を出させる立場に変わります。人によっては、自分よりも年下の先輩から指導されるのにストレスを感じることもあるかもしれません。
こうしたデメリットを回避するためには、飲食店店長としての店舗経営・マネジメント経験を活かせる管理職を目指すのがおすすめです。
とはいえ、飲食しか経験がない、異業種に管理職として転職するのは難しいのでは…と考える人も多いでしょう。
当サイトでは『異業種の管理職から物流センター長への転職』に特化して、物流センター長の仕事の内容や魅力を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
飲食店店長を辞めて別業界に転職したい!
飲食店店長の経験が活かせる業種は?
「飲食店の店長を辞めたい」「飲食業界ではなく別の業界に転職したい」と考えている方は、物流管理職(物流業界)がおすすめ。その理由は、飲食店店長として管理職経験を活かせることや(材料や備品・消耗品の発注ほか物流業界と関わる機会があったなど)、裁量権を持って働けるので仕事に対してやりがいを感じられるからです。
物流業界のほかにも自分に合った業界が知りたいという方に向けて、転職先の候補としたい業界を紹介します。それぞれの業界を比較検討しながら、自分にとってのベストな転職先を探してみましょう。
食品業界
飲食店店長の経験で身につけた料理や食材に関する知識を転職先でも活かしたい方は、食品業界がおすすめです。ただ、食品業界は転職者からの人気の高い業界のため、転職を有利に進めるには身につけた知識と関連する業種を選ぶと良いでしょう。自身の経験をアピールでき、さらに転職後も知識を存分に発揮して働けるので、すぐになじみやすいというメリットもあります。
飲食店店長の経験で培ったコミュニケーション能力を活かしたいなら、食品業界の営業部門への転職も検討してみると良いでしょう。
介護業界
飲食店と介護業界は関連性が低そうにも思えますが、利用者との密接なコミュニケーションが求められる介護業界では、飲食店の勤務経験で培った細やかな気配りや相手の要望をくみとる力などが役に立ちます。
介護業界のニーズは高齢化により高まり続けている一方で、介護職員の人材不足が課題に。多くの企業が積極的に採用に取り組んでいるため、介護の経験がない異業種からの転職でも受け入れてもらえる可能性が高いでしょう。会社がケアマネージャーなどの資格取得をサポートしている場合もあるので、働きながらキャリアアップを目指せるのも魅力です。
接客業
飲食店店長の経験で培った接客技術や経験を活かしたいなら、接客業もおすすめです。飲食業と接客業は共通点も多いので、転職後の仕事にも比較的スムーズになじめるのも魅力。接客業とひとくちに言っても勤務先の選択肢が幅広いため、どのような働き方がしたいのかを考えながら転職先を検討すると良いでしょう。
たとえば1人ひとりのお客様とじっくり向き合いながら接客したいなら、自動車や不動産、保険商品、観光葬祭などの高額商品を扱う企業が選択肢に入ります。体力的にきつくて飲食店店長を辞めたい場合は、受付カウンター業務のような体力をそれほど必要としない職種も有力な候補となるでしょう。
営業
さまざまな顧客を相手にしてコミュニケーションを取る必要がある営業は、不特定多数のお客様を対応していた飲食店経験を存分に発揮できます。また、飲食店店長の経験で培ったトラブル発生時の臨機応変な対応力や、タイムマネジメント能力などのスキルも活かすことが可能です。
基本的にどの業界でも営業部門を設置しているため、興味のある業界に挑戦できるのも営業の魅力です。経験やスキルを問わない求人も多いので、異業種からでも転職しやすいでしょう。取り扱っている商材や顧客層などをもとに、自分に合った働き方ができる求人を探してみてはいかがでしょうか。